労働基準

労働基準

方針

持続可能な取引のためのガイドライン

当社は、人権侵害となる事案発生を未然に防ぎ、持続可能なバリューチェーンを構築するため、指針となる「持続可能な取引のためのガイドライン」を策定しました。以下では、当該のガイドラインのうち労働基準に関連する一部項目を紹介いたします。

※ガイドライン全体版は当社Webサイト(リンク先)よりご確認いただけます。
https://www.aeonmall.com/sustainability/approach/society/community/#human_rights_guide

児童労働

15歳またはその国の法令で就労が許される年齢のいずれか高い年齢に達していない児童を就労させず、また支援を行いません。また法令で就労または雇用が許される年齢またはそれ以上で18歳に満たない者は、義務教育法の対象である場合は就学を優先し、身体的および精神的な健康や発達に有害または危険となる状況にさらしません。

強制労働

採用や雇用の過程で、暴行、脅迫、監禁その他精神的、身体的および行動の自由を不当に制限する手段により、従業員の意思に反する雇用をおこない、労働を強制する、またはそれに加担しません。

労働時間

労働時間、休憩および休日に関する法令および業界基準を遵守します。時間外労働は自発的なものでなければならず、かつ、定期的に要求されるものではありません。法定労働時間を超えた労働に対しては、定められた時間外手当てを支払います。

賃金および福利厚生

国の賃金および福利厚生に関する法令を遵守します。関連する法令に基づき、賃金および諸手当ての支払いおよび控除をおこない、記録を保持します。賃金は、従業員の基本的生活を営むために必要な基準以上のものとします。支払った賃金の内容は、時間外割増手当てを含み、従業員が理解できる方法で説明します。

差別

人種、国籍、民族、性別、年齢、出身地、宗教、学歴、心身の障がい、性的指向と性自認などを理由として、採用、賃金、昇進、訓練、離職、退職などの雇用に関して差別し、または差別に加担しません。雇用にかかわるすべての判断において、必要とする機能の遂行能力を基準、差別や偏見に依らない適切な判断をおこないます。

結社の自由および団体交渉の権利

従業員に対し、従業員自らの選択による労働組合の結成、加入、運営および従業員の代表として会社と団体交渉をおこなう権利を尊重します。法令で結社の自由および団体交渉の権利に制限が加えられている場合、代替手段として、経営層や従業員代表へ懸念を申し出る通報窓口および苦情処理制度を設け、誠実に対応します。

安全衛生

適用される法令および規則に適合した、安全で健康的な職場環境を従業員に提供するとともに、潜在的な安全衛生にかかわる事故や怪我、精神的なものを含む疾病を予防するための有効な措置を講じます。従業員に提供している寮や食堂にも同様に安全衛生の基準を適用します。

マネジメント

コンプライアンス体制の継続的な見直し

コンプライアンス委員会は、経営会議の下部機構として、コンプライアンスの浸透状況の把握、情報交換、コンプライアンス体制の継続的な見直し(PCDAサイクルの改善)をおこないます。

委員会の目的

コンプライアンス委員会(以下「本委員会」)は、人間の倫理観にフォーカスし、法令・社内ルールに違反しない基準やシステムをつくるだけでなく、従業員一人ひとりが企業理念をより高いレベルで理解し、行動していく企業体質・風土の醸成を目的とした機関です。
当社は、経営会議の下部組織として「本委員会」を設置し、各部門の代表による議論を通じてコンプライアンス遵守意識の浸透状況の把握、教育体制の構築、情報交換、管理体制の継続的な見直し(PDCAサイクルの改善)をおこなっています。また、「経営危機管理規則」に定める各リスク項目のうち、コンプライアンスリスク項目についても、主管部門がリスク管理シートを活用してPDCAサイクルによるリスク管理をおこなっています。

委員会における取り組み

違反の報告や人権・行動規範の基礎知識共有にとどまらず、再発防止に向けた議論を中心とした委員会運営に努めています。再発防止策をより具体的に検討するため下記3点の発生および進捗状況共有を逐次実施し、違反が起きた背景および今後の防止対策について議論しています。

  1. ①コンプライアンス遵守状況の確認(国内外の行動規範110番・懲戒事案)
  2. ②コンプライアンスリスクに対する進捗管理(ハラスメント・不明労働時間防止)
  3. ③「人権」「ハラスメント防止」「法令遵守」の観点による教育・啓発活動

労働問題に関するリスク評価

新たに株式を取得する際、適切にデュー・ディリジェンスをおこなっています。

労使関係で事業上の変更に関する最低通知期間

労使で合意した最低通知期間を遵守しています。

主な取り組み

ハラスメントへの対処

規程の制定および研修の実施

当社は、よりよい地域社会との関係を構築するとともに、企業としての社会的責任を果たすため、コンプライアンス経営を重視し、イオングループの行動規範である「イオン行動規範」を遵守します。これを遂行するために、管理本部長を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設け、当社グループにおける法令、定款および社内規程の遵守状況などの確認と問題点の指摘、改善策の審議をおこないます。コンプライアンス委員会の議事については、経営会議に報告するとともに、重要案件については、取締役会に報告します。また、通報者に不利益が及ばない内部通報窓口として、ヘルプライン「イオンモール・ホットライン」を設置、子会社には当社の仕組みに準じたヘルプラインを設置しています。このヘルプラインに報告・通報があった場合、担当部門はその内容を精査して、違反行為があれば社内規程に基づき必要な処置をしたうえで、再発防止策を自ら策定または当該部門に策定させて全社的に実施させるとともに、「コンプライアンス委員会」に報告します。

専門店向けの通報窓口の設置(中国)

専門店さまや外部業者の方がハラスメントなどの不当な扱いを受けた場合、メールや電話によりコンプライアンス部に直接通報できる体制を整えており、通報を受けた際は、秘密情報を管理のうえで慎重に事実確認をおこない、是正措置に取り組んでいます。
なお、この仕組みにおける通報者の守秘義務は守られており安心して制度を利用することができます。

労働基準に関する企業方針の浸透

「イオン行動規範」に則った、企業倫理の浸透・定着は継続と繰り返しを基本とし、「勤怠管理」「人権」「ハラスメント防止」「法令遵守」の観点による研修・啓発をおこなっています。研修内容について、重点テーマとして「パワハラ」、「サービス残業」を設定、自社内での発生事案を考察し、再発防止の観点を重視した内容に取り組んだほか、相談窓口についての理解促進を図ってまいりました。
なお国際的な労働基準の尊重を内容に含む「イオン行動規範」については、各国言語に翻訳し、全従業員向けに研修を実施しています。

労働問題への取り組み

建物の入退館(建設中の場合には、敷地への出入り)には登録された従業員のみが出入りできる入退館システムを取り入れており、児童労働や強制労働といった法令を違反するような労働者が入ることを防止しています。

⾧時間労働の削減

「働き方改革」推進の中で、長時間労働の撲滅にも取り組んでいます。「時間は資源」と認識し、業務の効率化、部内コミュニケーションの充実などで、短い時間でも成果を伸ばし「業務の密度を上げる」ことにより、年間総実労働時間1,990時間以下を目標としています。長時間労働をしている社員の状況改善だけでなく部署全体の計画外労働時間の削減、社員が有する休暇の取得促進などさまざまな施策をおこない、ワークライフバランスの向上を図っています。

疾病の発症率あるいはリスクが高い業務に従事している労働者

22時以降に勤務する必要がある従業員は、深夜労働にあたるため追加の健康診断を実施し、健康管理を実施しています。

ダイバーシティと機会均等

イオンモール株式会社行動計画

当社は、性別や国籍に関わりなくさまざまな背景を持つ従業員が、活き活きと働き続けることができる職場環境の実現を目指し、次のように⾏動計画を策定します

1. 計画期間

2022(令和4)年4 月1⽇〜2024(令和6)年3月31日

2. 当社のこれまでの取り組み

当社は2005 年度よりダイバーシティの推進にいち早く取り組み、仕事と育児や介護を両⽴できる制度設計や両⽴⽀援を目的とした事業所内保育施設の設置を進めてきました。また、2019 年度より強化した男性の育児休職取得促進は、「イクボス応援⾦(育児休業扶助⾦)制度」の導入(19年4月)、育児休職取得計画シートの導入(20 年9 月)、産休育休案内冊子「育なび」の改編(21年4 月)などの取り組みを経て取得率が向上しております。
※当社の課題(1)⼥性管理職⽐率の向上(2)男性育児休業取得率の向上(3)労働者の各月ごとの労働時間の削減

3. 目標・取り組み内容

目標1:⼥性の管理職⽐率2025 年30%を目指し、⼥性の管理職⽐率を28%、管理職⼈数を2021 年2 月末日(174 人)より15%増やします。

取り組み内容

  • 2022年4⽉〜 年齢別(28 歳、35 歳、42 歳)キャリア面談を計画し、ライフステージの変化に伴って発生するキャリア形成における悩み・課題の解消を図ります。
  • 2022年6⽉〜 管理職層を対象とした研修等により、部下のキャリア支援への理解を深め、スキルを高めます。
  • 2023年〜 仕事と出産・育児・介護等の両⽴について、性別役割意識にとらわれないジェンダー平等の実現を目指し、社内外の制度の周知を図るなどキャリア継続の支援を⾏います。

目標2:男性の育児休業(育児を目的とした「きらきら休暇」の取得を含む)取得率を100%にします。

取り組み内容

  • 2022年5⽉〜 男性版産休と付帯する制度の周知を図るため取り組みます。
  • 2023年2⽉〜 育休・産休取得者をロールモデルとして社内広報するなど、休みを取得しやすい職場風土の醸成を図ります。

目標3:従業員の年間の総実労働時間を削減するため、有給休暇取得率を60%以上にします。(2020年度有給取得率︓55.3%)

取り組み内容

  • 2022年4⽉〜 システム化・DX を推進し、労働時間を短縮しながら生産性を向上していきます。
  • 2022年4⽉〜 会議体や職場環境改善MT の中で、「働き方改革」について話し合いの場を設けます。
  • 2023年〜 テレワークの制度化を目指し、職務内容や勤務体系によらない働き方の多様化を図ります。
  • 2023年〜 「きらきら休暇制度」の取得100%を目指し、プライベートな時間を充足させリフレッシュすることで生産性の向上と従業員のメンタルヘルスを良好に保ちます。

ダイバーシティ経営の推進

さまざまなお客さまが来店される中で「お客さま第一」の基本理念を実現するためには多様な人材が必要で、異なる視点からの意見を積極的に交わすことで創造的なアイディアが生まれます。上位職へチャレンジする意欲の高い女性社員も増えており、性別や年齢、国籍、心身の障がいの有無などにかかわらず、子育てや介護などライフステージに変化が生じた場合にも無理なく働けるよう柔軟な選択肢を用意し、働きやすい職場環境を整えることでキャリア形成の土台づくりに努めていきます。

■ ダイバーシティ経営の推進に関するデータ

※単体ベース

項目 KPI 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
女性管理職比率 30.0% 14.2% 15.1% 17.4% 18.0% 19.4%
男性育児休業取得率 100% 0.0% 5.2% 30.6% 53.5% 100%
有給休暇取得率 60% 30% 39% 59% 58% 62%
有給休暇取得日数 - 6日 8日 9日 10日 11日
障がいをもつ従業員の割合 2.50% 1.90% 1.86% 2.32% 2.14% 2.17%
採用人数(新卒)
(男性、女性)
- 110人
(49/61)
100人
(57/43)
87人
(46/41)
53人
(25/28)
65人
(30/35)
離職率(自己都合) - 2.9% 2.4% 3.7% 3.1% 3.5%
<参考>従業員数データ

※単体ベース

項目 KPI 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
正社員数
(男性、女性)
- 1,682人
(1,131/551)
1,792人
(1,191/601)
1,788人
(1,168/620)
1,842人
(1,196/646)
1,939人
(1,239/700)
海外現地法人ローカルスタッフ数 - 1,040人 1,040人 1,228人 1,429人 1,465人

労働力の多様性、機会均等向上のための取り組み

イオングループの商業施設にご出店いただいている専門店さまを会員として組織される「イオン同友店会」にて、2016年6月に「ダイバーシティ推進部会」を設置しています。イオングループの商業施設を同友店のスタッフが働きやすい職場とし、ライフステージが変わっても働き続けやすい環境にすることを目的とするもので、委員は専門店さまと当社関連部署から約半数ずつ10名選出し、部会を実施しています。専門店さまより2名の女性取締役、当社より1名の社外取締役を含む7名の女性が参加し、当社のダイバーシティ推進グループとも連携しながら、さまざまな意見を具現化しました。
当社はダイバーシティに向けてのマテリアリティとして“多様性・働き方”を設定し“人種、国籍、年齢、性別、住んでいる場所にかかわらずすべての人に均等な機会が与えられている社会”をKGIとして設定しています。

  • 全従業員が年1回人権研修を受講しており、さらに、社内・社外の相談窓口を記載した小冊子を全従業員に配布しています。
  • 全従業員への人権啓発ガイドブックを配布しています。

女性活躍の機会創出に向けた取り組み

女性管理職比率KPI : 2025年度目標30%

■ 当社の現状と推移
2017年度末 2018年度末 2019年度末 2020年度末 2021年度末
女性社員比率 32.8% 33.5% 34.7% 35.1% 36.1%
女性管理職比率 14.2% 15.1% 17.4% 18.0% 19.4%

女性管理職比率の向上に向けて

当社では、「社員一人ひとりがLife Design Producerとしてライフステージにかかわらず働き続けることができる。管理職としても活躍できる」ということを女性活躍のめざすべき姿としています。2025年度には女性管理職比率30%を目標に掲げ、チャレンジ意欲の醸成や会社・上司による支援体制強化のためにさまざまな取り組みを計画し実施しています。

2025年度に向けた取り組み
  • 管理職一歩手前における動機づけ
    ・上位職へのマインドセットを変える研修の実施
  • 多様な管理職ロールモデルの輩出・周知
    ・時短勤務管理職を配置した「モデルモール」運用
  • 産前~復職前のフォローアップ
    ・女性従業員への面談などによる動機づけ
    ・男性従業員の育休取得促進
  • 管理職の部下育成スキルの向上
    ・ミドルマネジメント層向けの部下育成研修の実施

女性活躍のための取り組み

出産・子育てをサポートするガイドブックを発行

子育てと仕事を両立したいと考える従業員が安心して出産・育児に専念し、スムーズに復職するための社内向けガイドブック「育なび」を発行・配布しています。「子どもをそだてる キャリアをはぐくむ」をテーマに、それぞれのステージで適用される制度や手当て、必要な知識や手続きなどをわかりやすくまとめたもので、ワークライフマネジメントのために各部署で活用されています。

出産・子育てをサポートするガイドブック
「イオンゆめみらい保育園」の展開

安心して働き続けられる環境づくりの一環として、事業所内保育所「イオンゆめみらい保育園」を設置。イオングループ各社や専門店の従業員、地域住民の方にご利用いただいています。原則年中無休で各モールの営業時間に合わせて運営しており、各専門店スタッフの仕事と育児の両立を支援。天候に左右されないイオンホールで運動会を開催するなど、モール内の保育園だからこそできるイベントや行事で子どもが心身ともに成長する機会を創出しています。2021年12月にオープンしたイオンモール新利府 南館(宮城県)にも新たに導入し、イオングループとして32園目、そのうち22園が当社の商業施設での運営となりました。

「イオンゆめみらい保育園」の展開
育児介護支援制度 ー男性社員の育休取得率100%達成(2021年度)ー

出産や育児、介護と仕事の両立を支援するため、各種制度を整えるとともに育児休業を利用しやすい環境づくりに取り組んでいます。2021年度は63名(うち男性36名)の社員が育児休業を取得しました。男性の積極的な育児参画を推進し、さまざまなサポート体制で、2021年度の男性育児休業取得率は100%を達成しました。

女性活躍推進法への対応

当社は、女性活躍推進法に基づき、厚生労働省のWebサイトにおいて、情報開示をおこなっています。また、当社の取り組みが評価され、下記の認定をいただいています。

  • 子育てサポート企業として認定マーク「くるみん」を取得(次世代育成推進法)
  • 女性活躍推進法に基づく「プラチナえるぼし」を取得
    ※2023年3月取得
女性活躍推進法への対応

コンプライアンス専任部署の設置

当社では、従業員が能力を最大限に発揮できる職場風土にて、多様な人材が活躍できるよう、人権に対する正しい知識と理解を深めるための体制強化と各種研修を実施しています。
2022年4月、ハラスメントを含む法令遵守や行動規範の励行などのコンプライアンス対応を一元的に実施するため、管理本部コンプライアンス部を新設しました。コンプライアンス部ではコンプライアンス推進体制の整備や啓発および周知徹底の実施など、コンプライアンス教育の推進をおこなっています。本年度のコンプライアンス研修の予定は以下のとおりです。

■ コンプライアンス研修
時期 研修対象 研修内容
2022年上期 所属長(317名) 研修ケーススタディは当社の事例を活用し、研修後に受講者全員がアクションプラン提出済
2022年下期 全従業員 ・事業部長・GM・部長・室長が講師となり、それぞれの営業所・オフィスでコンプライアンス研修実施
・受講者は全従業員

「イオン行動規範サーベイ」の実施

イオン行動規範の浸透度、コンプライアンス意識、職場環境をモニタリングする「イオン行動規範サーベイ」を毎年度、定期的に実施しています。