杜の都、仙台の“街ナカ”で、
新しい日常をつくっていく。
- Interviewee
- Hiroko Tsuchihashi
- Takumi Ibuki
- Mamoru Terakawa
- Mana Ishimoto
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2025年10月8日、「イオンモール仙台上杉」がグランドオープンした。当モールは、当社が多く手掛けている“郊外型モール”とは異なり、都市部である仙台市青葉区に立地。また、同エリアは市内有数の文教地区としても知られている。このようなエリアでの開発は、イオンモールにとって前例が少ないチャレンジだ。プロジェクトは2014年に当社が東北大学雨宮キャンパス跡地の開発事業者として選定されたことによって始動し、約10年に亘り住宅や医療施設を複合させた都市開発が進められた。そして、2022年頃より着工に向けてプロジェクトが加速していった。

Hiroko Tsuchihashi土橋 洋子
東北・北海道リーシング部
担当部長
2004年入社

Takumi Ibuki伊吹 巧
建設部
新店第2グループ 担当部長
2005年入社

Mamoru Terakawa寺川 守
イオンモール仙台上杉
ゼネラルマネージャー
2006年入社

Mana Ishimoto石本 真菜
東北・北海道開発部
2019年入社
Chapter 01
仙台有数の文教地区に立地する
都市型ショッピングモール。
チャレンジングなプロジェクトが
動き始めた。
- 寺川
- 今日集まったメンバーの中みんなが、それぞれどれくらいの期間関わっていたのか改めて聞いてみたいんですが、石本さんはいつから開発担当になられたんですか?
- 石本
- 2022年9月からですね。私がイオンモールに新卒で入社したのは2019年で「イオンモール太田」に配属となり、オペレーションや営業担当として経験を積んだ後、現在の東北・北海道開発部に異動してきました。
- 寺川
- というと、「イオンモール仙台上杉」(以下、当モール)のプロジェクトがまさに本格化したタイミングですよね?
- 石本
- そのとおりですね。
- 寺川
- 入社から4年も経たないうちに、このプロジェクトに携わっていたんですね。
- 伊吹
- 私やリーシングの土橋さんが本格的に関わり始めたのも、ちょうど同じ頃だと思います。
- 土橋
- いや、じつは私はもっと早く、企画開発の段階からこのプロジェクトに関わっているんです。2019年頃でしょうか。まだ更地だった建設予定地を見に来た記憶があります。あの時は、まさかこんなに長く関わることになるとは想像もしなかった。
- 寺川
- 私が当モールのGM(ゼネラルマネージャー)として着任したのが、そのおよそ1年後の2023年9月です。基本計画が決まっていたとはいえ、それをショッピングモールとして具現化していくためにはさまざまなチャレンジが必要となる。そのプロジェクトを先導していく役割を担ったのが、石本さんということになりますね。

- 石本
- たとえば、当モールでは、最大5㎞、足元2㎞という商圏を設定していますが、開発担当としてはその商圏を詳細に分析し、モールの構成などを考え、基本計画を作成します。実際の運営に落とし込んでいくのはその後の作業です。当時は開発に着任したばかりでしたが、上司のサポートもありますし、なによりも今日集まった皆さんのように、精鋭のメンバーがプロジェクトを支えてくれました。
- 伊吹
- いま、足元2㎞圏内というコンパクトな商圏の話が出ましたが、当モールは、イオンモールにおいても、あまり例のない都市周辺部に立地するショッピングモールです。それだけに開発でも、困難なことが多かったように思います。行政との調整でも、前面に立つことが多かったのが石本さんですよね。
- 石本
- そうですね。当モールが立地するのは、仙台市内でも有数の文教地区です。開業に向けてさまざまな承認を得なければならず、行政と交渉を重ねました。 また、行政に加えて重要であったのが、地域との連携。当モールは医療施設と大規模マンションに隣接しており、郊外型とは異なり、周辺で生活する方が非常に多いのが特徴です。地域の方々と丁寧に対話を重ね、期待に応えられるようにモールづくりに落とし込んでいきました。地道ですけれど、ショッピングモールの開発ではとても大切な仕事なんですよね。
- 土橋
- そのとおりだと思います。プロジェクトチームの中でも、地域を一番知り尽くしていたのが石本さん。それだけにプロジェクトに注ぐ想いも熱いと感じていました。近隣の関係者からヒアリングをする機会を設けてもらうなど、リーシングでもいろいろサポートしてもらいましたね。
- 石本
- 私は、ショッピングモールの開発がしたくて、イオンモールに入社しました。開発部に着任早々、チャレンジングなプロジェクトにトータルで携わることになり、やりがいのある、とても貴重な経験を積んでいると感じています。

Chapter 02
都市周辺部立地のコンパクトな
空間をいかに魅力的に創出するか?
建物にかけるコストに
メリハリをつけるように意識した。
- 石本
- いま、基本計画をショッピングモールとして具現化していく話をしましたが、それは伊吹さんが取りまとめていた設計・建設でも同じですよね。
- 伊吹
- そうですね。実際のプロジェクトとして動かしていくためには、設計を詰め、建設コストの予算管理や建物工事、専門店工事を含めた総括的なプロジェクト全体の進捗管理を行う必要があります。設計会社や建設会社の選定も重要なタスクになります。今回のプロジェクトでは、建設物価が上昇傾向の最中だったこともあり、建物にかけるコストにメリハリをつけるように意識しました。
- 石本
- 当モールは都心部立地のために敷地面積も限られ、イオンモールとしては数少ない4階建の構造です。設計面でも新しいアイデアが必要だったのではないでしょうか?
- 伊吹
- まさにその4階建という構造がポイントで、お客さまにいかに最上階の4階まで足を運んでいただくかを考え抜きました。たとえば、企画段階で最上階について、施設の目玉となるような開放的な空間環境をつくる構想があり、それを具現化するにあたり、構造や意匠について設計者と何度も意見を交わしました。最上階という特性をフルに活かし、モール通路の天井高は約8mと高くし採光窓を設け、室内緑化にも力を入れ、明るく開放的で潤いある空間としました。また隣接するフードコートも、客席エリアに柱の無い構造設計とし、見通しの良い空間をつくり出しました。この4階の設計については、GMの寺川さんともいろいろアイデアを出し合いましたね。
- 寺川
- 4階には、当モールの象徴ともいえる屋内外一体型広場「KAMISUGI ONE PARK」(カミスギ・ワン・パーク)とフードコート「グルメアリーナ」が配置されています。一般的にショッピングモールのフードコートは、広大な空間のようでいて、各所にある柱によって視界が遮られるという課題があります。ところが、伊吹さんが話したように、当モールのフードコートは、柱がなくてとても開放的。そのパース図を見ているうちに、あるアイデアが浮かんできたのです。
- 伊吹
- フードコートの中央上部に大画面の4面モニターを設置するというものですよね。
- 寺川
- そう。その理由については後ほど詳しく触れますが、モニターの大きさや性能、音響設備などにはずいぶんこだわり、伊吹さんにはいろいろ提案を受け入れてもらいました。
- 土橋
- そうした密接な連携は、私たちリーシングのチームでも同じこと。出入り口やエスカレーターの位置、各フロアの構成など、建物の構造はリーシングを進めていくうえで非常に重要な要素です。建設工事が始まってからも、リーシングと建設のチームが一体となって検討を行い、ぎりぎりまで調整を続けましたね。
- 石本
- 当モールは仙台市の中心に近く、従来から交通量の多い地域です。そのため、開発にあたっては周辺の交通量緩和が大きなテーマでした。駐車場やそこに至るまでの動線、配送車のルートなど、建設工事が始まってからもプロジェクトチームで何度も話し合い、2025年10月の開業に向けて改善を積み重ねていきました。
Chapter 03
従来型のゾーニングを踏襲していては、成功はありえない。
商圏への解像度を高め、白紙の状態からリーシングを考え抜いた。
- 伊吹
- 土橋さん、今回のプロジェクトでは、リーシングでもこれまでにないチャレンジが求められたのではないですか?
- 土橋
- そのとおりですね。リーシングは専門店の誘致が仕事ですが、今回はその前提となるモール全体のゾーニングやMD(マーチャンダイジング)、どういう専門店が求められているのかについて、チームで徹底的に議論しました。従来の郊外型大型モールで基本としてきたゾーニングの“小さいもの版”をつくるだけではなく、いったん白紙の状態に立ち戻って考え抜くことが重要だと思ったんです。そのためには、商圏の特性を深く理解することが欠かせません。石本さんからもたらされる地元の生の情報がとても役立ちましたね。
- 石本
- よく土橋さんから相談され、地域の方々に「たとえば○○のような店はどうでしょうか?」といった話をして、フィードバックを伝えていました。
- 土橋
- 商圏が文教地区ということもあり、比較的ハイエンドな客層をイメージしていたのですが、そうはいっても普段の生活で誰もがあってほしいと思うもの——百均ショップやファミリーレストランも必ず必要なはず。フードデリバリーなどについても、石本さんと一緒に検討しましたね。
- 寺川
- コアとなるナショナルチェーンなどの専門店はリーシングチームに任せていましたが、新しく誘致する地元のお店については、運営チームとして今後長くお付き合いしていくこともあり、GMとしての意見を伝えました。なかでも私がこだわったのが……。
- 土橋
- カフェとお花屋さん!この2つは当初からずっと言っていましたよね。
- 寺川
- 地元の方々に日常的に利用していただくためには、この2つの存在が大きいと考えました。もちろん、誰もが知っているナショナルチェーンのカフェも必要ですが、それに加えて、ほっと心が安らぐようなカフェが当モールにあってほしいと思ったのです。
- 土橋
- 当モールのリーシングでは、解像度の高い顧客分析を行い、仮想のお客さまイメージを描き出しました。家族構成はもちろん、各人の模擬的な生活スタイルから1日のスケジュールまで、詳細なイメージモデルをつくり、メンバー全員で共有したのです。チームでブレのないリーシングを展開でき、専門店各社に出店を検討して頂く際にも、当モールの魅力を伝えるのに、とても有効なツールになりましたね。

Chapter 04
仙台市でも屈指のハイセンスな
エリアに、
どこにもない新しいショッピング
モールをつくりたかった。
- 土橋
- 寺川さんが当モールのGMとして着任したのは2023年9月ですよね。ちょうどグランドオープンの2年前ということになりますね。
- 寺川
- そうですね。当社では新店オープンの場合、だいたいこれくらいのスケジュールでGMに就くのが標準だと思います。先ほどから話に出ているように設計やリーシングの検討など、GMが関わるべきことは山ほどあるのです。
私が着任して最初に取り組んだのは、商圏やお客さまのイメージを肌感覚で理解すること。事前にさまざまな情報は得ていますが、果たして実際はどうなのか? 半径2㎞の商圏エリアをくまなく知るために、自転車に乗って何度も走り回りました。
- 伊吹
- 寺川さんはGMとして豊富な経験がありますが、当モールではどこに一番こだわりましたか?
- 寺川
- お客さまのアクセス手段と、そのお客さまの来店頻度を高めることですね。自動車でのアクセスをある程度調整して周辺道路の混雑緩和を図るために、駐車場料金をフレキシブルな設定にしたり、仙台市交通局とタイアップして地下鉄利用促進キャンペーンを展開するなど、さまざまな取り組みを進めました。また、週末ばかりでなく、平日や夜間にも来ていただける構成や仕掛けづくりにもこだわりました。それが4階の空間ということになりますね。
- 石本
- 4階の「KAMISUGI ONE PARK」は、大部分をふかふかな人工芝を敷いた屋内外を一体化した広場です。プランニングの段階で、「仙台市には子どもたちが屋内で遊べる場所が少ない」というニーズを掴み、その社会課題の解決にも貢献するために実現したスペースですね。

- 伊吹
- そして4階のもう一つの主役が、「グルメアリーナ」と名づけたフードコートです。
- 寺川
- これはフードコートだけでなく、一般のショッピングモール全体にいえる課題なのですが、週末に比べて平日や夜間の利用が少ない。当モールは商圏がコンパクトなこともあり、この時間帯にいかに集客を図るかが売上の鍵を握ると想定しました。
そこで考えたプランの一つが、先ほども話があった4面の大型モニターなんですね。食事やお酒を飲みながら、仙台市をホームタウンとするスポーツチームの試合や音楽などの映像コンテンツを楽しんでもらおうと。イメージしたのは、プロ・バスケットリーグのアリーナです。
- 伊吹
- 客席エリアは柱の無い構造とし、見通しの良い空間を創出しようと考えた建設チームの意図を組んで、それを見事に生かしてくれた良いアイデアだと思います。
- 土橋
- くつろいだ時間を楽しむためにはお酒の提供も必要だという話を寺川さんから聞いて、フードコートのリーシングも再考しました。10店舗ある専門店のうち8つでお酒を提供し、お料理なども工夫してもらっています。
- 寺川
- 当モールは「あたらしい街ナカぐらし」というコンセプトを掲げていますが、この言葉もプロジェクトチームみんなの想いをまとめて、私が言葉にしたもの。私自身、国内の新店オープンを任されるのはGMとして初めての経験です。仙台市でも屈指のハイセンスなエリアに、どこにもない新しいショッピングモールを生み出してみたいと強く思っていました。
Chapter 05
私たちがつくった場所が、
地域の人々の新しい日常になる。
10年後、20年後も存在価値のある
モールづくりに取り組んでいく。
- 石本
- そして2025年10月8日、当モールはグランドオープンを迎えます。この日、4階の「KAMISUGI ONE PARK」で開業セレモニーが行われました。テープカットの瞬間、これまでの準備期間のいろいろなことが蘇り、ジンと涙があふれてきて。こんなこと、社会人になって初めての経験です。
- 寺川
- 私はオープン時に、エントランスでお客さまをお迎えしたのですが、行列ができて開館からしばらくはお客さまが途切れることなくご来館されました。その先に目を向けると、地下鉄の駅の方から皆さん歩いてやってくるのですよね。ああ、自分たちが想定したとおりだなと、嬉しかったですね。
- 伊吹
- 私は無事予定通りの工期でオープンでき、ほっとした感じでしたが、それでも「KAMISUGI ONE PARK」などで楽しそうに過ごしている子どもたちの姿を見ると感慨深かったですね。みんなが寝転んだりしているふかふかな人工芝も、たくさんサンプルを取り寄せてチームのメンバーたちといろいろ悩んで選んだものなんだよな……とか。
- 土橋
- リーシングチームで描いていたお客さまイメージに近い方が多く来店されていて、出店頂いた専門店の皆さまにも喜んで頂き、安心しました。
- 寺川
- それは利用のスタイルでも同じだと感じています。先日、犬の散歩がてらカフェに寄っていただいたお客さまと話をしたのですが、「この後、家に帰って、ランチを食べにまた来ます」とおっしゃっていました。
- 石本
- 寺川さんがいうように、私たちがつくった場所が、地域の人々の新しい日常になる。当モールは、まさにその喜びを体感できるプロジェクトです。私が担当する東北エリアでは今後も新店オープンが続くので、当モールの経験を活かし、地域の方々に寄り添った開発にチャレンジしていきたいと思っています。
- 寺川
- 私たち運営チームにとっては、開業したこれからが正念場です。10年後、20年後にも、「イオンモールがあってよかった」と地域の方々に思っていただける持続的なモールづくりに取り組んでいきます。GMとしては、若い人たちの育成も大切なテーマ。当モールでのチャレンジを通じて、次代のショッピングモールを担う人材の育成に貢献できたら嬉しいですね。

