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生成AIと実空間メタバースによるデジタル避難訓練と実証実験を実施

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国立大学法人東北大学
国立大学法人九州大学
イオン株式会社
イオンモール株式会社
いわき市

生成AI と実空間メタバースによるデジタル避難訓練と実証実験を実施

 国立大学法人東北大学災害科学国際研究所、国立大学法人九州大学データ駆動イノベーション推進本部、イオン株式会社、イオンモール株式会社、いわき市は、最新のデジタル技術を活用した津波避難訓練を、2024 年3 月3 日(日)に、イオンモールいわき小名浜とその周辺地域で実施します。今回の避難訓練はデジタル防災技術の実証実験も兼ねており、避難を支援するスマホアプリと避難所でアドバイスをするAI アバターを実際に体験していただき、その有効性についての検証も行います。なお、本実証実験はJST 未来社会創造事業※の支援を受けて実施するものです。

◼背景
頻発する地震津波災害や気候変動により激甚化する気象災害への減災対策において、A I やメタバース等の最新デジタル技術を活用する防災DX は、より安全で持続可能な社会を実現する上で重要性を増しています。その防災へのデジタル技術活用に向けた重要な課題の一つとして、人とデジタル空間の情報のやり取りの円滑化が挙げられます。この課題について本実証実験では実際に市民の方々に技術を体験して頂き意見を伺うことで有効性の検証を行い、技術の実用化を目指します。

◼検証する技術
1.避難を支援するスマホアプリ
 実空間に情報を付与する実空間メタバースを、カメラに写った画像から正確にカメラの位置や向きを特定するVisual Positioning System により実現し、スマホアプリとして提供します。

図1:避難を支援する実空間メタバースのスマホアプリ画面

2.避難所をサポートするA I アバター
 避難された方や避難所の運営をサポートするため、多くの知識を習得でき、それに基づいた対話が可能なAI アバターを大規模言語モデルによる生成AI により構築しました。

図2: 避難所をサポートするA I アバター

◼実証実験を兼ねた避難訓練
 ・日   時 : 2024 年 3 月 3 日 (日 )9 :00- 12: 10
 ・当日の流れ :
    1.避難を支援する実空間メタバースを体験しながらイオンモールに徒歩で避難
    2.避難後に避難所をサポートするA I アバターをイオンモールで体験
    3.当日の避難の振り返り
 ・場   所 :イオンモールいわき小名浜とその周辺地域
 ・参 加 者 :イオンモールいわき小名浜周辺の住民、地元の高等専門学校生等
 ・参 加 人 数  :約7 0 人
 ・災 害 想 定  :太平洋沖で発生した地震による津波

◼実証実験における役割分担
 東北大:実践的災害科学の知見に基づく新規技術の研究開発
 九州大:避難訓練の企画・運営、先端的な情報科学の知見による新規技術の研究開発
 イオン:実用化に向けた技術検証、避難訓練の支援
 イオンモール:場所の提供、実用化に向けた技術検証、避難訓練の支援
 いわき市:実用化に向けた技術検証、避難訓練の支援

◼今後
 今後、実証で得られた参加者の意見や避難行動データを基に、防災DX を推進し、より安全で安心に暮らせる地域・社会づくりに貢献していきます。

※未来社会創造事業は、社会・産業ニーズ(潜在的なニーズを含む)を踏まえ、経済・社会的にインパクトのあるターゲット(出口)を明確に見据えた技術的にチャレンジングな目標を設定し、戦略的創造研究推進事業や科学研究費助成事業等の有望な成果の活用を通じて、実用化が可能かどうか見極められる段階(概念実証:POCPOC)を目指した研究開発を実施します。その研究開発において、斬新なアイデアの取り込み、事業化へのジャンプアップ等を柔軟かつ迅速に実施可能とするような研究開発運営を採用するもの。

 

【本件に関するお問い合わせ先】
イオンモール株式会社 社長室 広報グループ
TEL:043-212-6733


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