【特集】
JIYUGAOKA de aone ができるまで
(P48-49)

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エリア開発統括部
首都圏開発部長
河野 克也

本開発事業は、お客さまに約52年間ご愛顧いただいた「ピーコックストア自由が丘店」をスクラップ&ビルドにより、新たな商業施設「JIYUGAOKA de aone」として開業した、グループ企業のアセットを活用した事業となります。当社において、東京23区内で初の出店であったと共に、自由が丘エリアにおいて、まちが変わるきっかけとなるプロジェクトにしていきたいという強い思いをもって本開発事業を進めてまいりました。

今回、本開発事業を進める上で大切にしたのは、新しい地域コミュニティの醸成と土地の歴史をふまえたエリアの価値向上につながる事業とすることでした。自由が丘駅周辺において、集える場所が少ないという地域課題を踏まえて、本施設内に約1,000㎡のテラスを設けることで、人々が集い、憩える場を提供しました。

また、本開発事業地はかつて「窓ぎわのトットちゃん」の舞台となった自由が丘学園小学校・トモヱ学園小学校があったことから、そのレガシーを残すために、「ピーコックストア自由が丘店」の閉店にあたって撤去した「自由が丘学園小学校・トモヱ学園小学校記念碑」を、地域関係者の皆さまと共に再び設置することに至りました。また、本施設内には自由が丘町会の防災倉庫を設置させて頂き、有事の際に地域の皆さまの安全に貢献することはもちろんのこと、日ごろから地域の皆さまから愛され、本施設が自由が丘エリアにおいて、欠かせない存在になっていきたいですね。

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開発企画統括部
建設計画部 担当部長
黒江 倫子

開発にあたり、オープンしたときに見たい風景を開発メンバーで話し合いました。その中で生まれた「“今日も良い一日をありがとう”という言葉が自然に生まれる場所へと成長してほしい」という想いを、施設のコンセプト「自然と自然に落ち着ける場所」に込めています。3階のテラスは、現在の高さ以上の建物を建てられないという制約があった中、お客さまがより心地よく過ごせる空間を提供することをめざして設置しました。地域の皆さまのコミュニケーションが生まれるイベントを実施する場所として活用していくことは早々に決定し、それにあわせた設計計画を進めました。

また、施設コンセプト「自然と自然に落ち着ける場所」は、周辺の自然を壊すことなく元のままの環境で動植物が暮らしていける場所でありたいという願いも含んでいます。四季折々の景色を楽しむことが会話のきっかけとなり、お客さま、専門店従業員さま、テラスを訪れる虫や鳥などの生き物など、それぞれの距離が縮まり交流が生まれるのが理想です。環境負荷低減の取り組みとして、ウッドデッキに多摩産材のヒノキを採用するなど建築素材の選定にも配慮しています。本施設は住宅に隣接している分、皆さまの生活にも根ざしており、本施設で過ごす時間が日常の思い出になると嬉しいですね。

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開発企画統括部
新業態開発部
木原 繁

郊外に出店している従来のモールは、広域からお越しいただくことを意識した大型の施設でした。今回は都市型で施設規模も小さく、近隣に住む皆さまがコアなお客さまになるため、これまでとは異なる視点の専門店選びに苦労しましたが、自由が丘という全国的な知名度を持つ都市部に出店することで、お取引させていただく企業さまの幅が広がりました。

館内の全27店舗のうち、15社が当社の商業施設に初めて出店いただく企業さまで、本施設のために飲食の新規メニューを開発していただくなど、新しい施策に取り組んでいただいた専門店さまもございました。ここで生まれたつながりは、将来的なモールのリーシングにも活かしていきたいですね。お目当てのものがあっていらっしゃる方も、まちを散策する途中でふらっと立ち寄る方も含めて、「来て良かった」と思っていただける施設になってほしいです。

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JIYUGAOKA de aone
マネージャー
長谷川 宏之

JIYUGAOKA de aoneは、施設そのものが目的地となる従来のモールとは異なり、自由が丘のまちでお買い物をして過ごすといった日常の営みの中で立ち寄っていただける施設をめざしています。

これまでお付き合いがなかった専門店の出店や、環境に配慮した施設づくりを行うほか、3階のテラスでは、地元の皆さまや企業さまと協力して、フィンランドなど海外の都市の魅力を発信する文化的なイベントや植物の展示・販売を行うボタニカルマーケットなど、地域の皆さまのニーズにあわせた企画を実施しています。私たちにとっても初めての試みが多く、地域の皆さまにどのように発信していくか模索中のところもありますが、そこにやりがいを感じますね。「自然と自然に落ち着ける場所」のコンセプトの通り、テラスやベンチなどで自由に過ごしていただけるような、くつろげる空間をめざしてまいります。

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