【特集】
中国で地域に寄り添った独自企画を開催
(P28-29)

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イオンモール(中国)投資有限公司
SC運営統括部 ESG推進部担当
劉 岳

近年、中国におけるモールビジネス環境が変化しています。競争の激化、少子高齢化、ECの台頭、脱炭素化の「3060目標」を掲げる国策など外部環境の変化に加え、立地条件、館内設備の進化、業種の多様化、空床増加など内部環境の変化も進んでいます。こうした状況に適応するには、私たちの考え方も変化が必要です。出店数拡大による増収増益から、地域に最適化した個性あるモールづくりへシフトするにあたって、地域のことを知り、学び、それをモールで活かすローカライズ企画を2021年から中国に出店する全エリアで推進してきました。

当初は各モールが何をすればいいかとまどう様子もありましたが、地域の魅力と課題を調べ、ステークホルダーの声を聞くことで、一地域住民として地域のあるべき姿をイメージし、一企業市民としてどう地域に貢献できるかを考えるなど、徐々に理解が深まっています。地域課題を解決するにあたっては、ESG経営の視点で自社の持続的な発展も考慮するとともに、従来の販促イベント的なアプローチではなく、地域共創の視点でステークホルダーと連携して解決策を打ち出すことを重視しています。企画の目的を明確にして立案・実行することの重要性を現場のスタッフに伝え、社内説明会もしてきました。こうして究極のローカライズ企画について理解が進み、ステークホルダーやお客さまから高い評価をいただける企画が生まれるようになりました。紙面で紹介した3つの取り組みは、独自性と継続性、地域課題解決への貢献、ブランディングやESG経営に対しての寄与、そして費用対効果などの観点から高く評価されたものです。

2023年、中国商務部は「15分間幸福生活圏」を構築する3カ年の計画を発表しました。これは住民が自宅から15分以内の範囲でより住みやすく、働きやすく、遊びやすい地域にするために、生活に必要なインフラを整え、便利でスマートな地域コミュニティの構築をめざすもので、私たちの究極のローカライズ企画と方向性を同じくするものです。イオンモールの専門店、インフラ機能、集客力、空間などのポテンシャルと地域の資源を掛け合わせ、共通の問題意識を持つ方をつなぎ、地域課題の解決および地域発展を支援する企画によって、より幸せな地域の未来を創っていきたいと考えています。

Life Design Report 2024
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