
PORT STYLE株式会社
経営管理部 部長
矢下 克正さま
当社が運営する帽子専門店「イチヨンプラス」は、イオンモールさんへの出店を含めて全国に38店舗を展開しています。ネットショップでご注文いただいた商品を直接お客さまにお届けしたり、倉庫から店舗へ配送するなど、さまざまな用途で頻繁に商品を移動する必要があります。物流企業の中でも会社によって得意な分野やスタイルが異なりますので、当社のニーズにマッチする物流企業さんを選んで、サービスの質向上やコスト削減を図ってきました。
今回イオンモールさんからご提案をいただいた共同配送サービスは、配送の選択を広げ、さらに業務を最適化するきっかけになりました。当社は神戸にある物流拠点から全国20店舗への商品配送に活用しており、商品の量が多いため、いかにコストを削減できるか、適切なタイミングで店舗へお届けできるかという点を重視しています。配送は当社事業のインフラにあたる非常に重要なところですので、長い目で見たときにサービスが安定して継続されるか気になっていたのですが、イオンモールの担当者さんから「短期的な取り組みではないので安心してご利用ください」という言葉をいただいて不安を解消できました。ほかにも、サービスや価格の説明がわかりやすく、コスト面でも魅力を感じたことから導入を決定しました。実際に利用してみると、計画通り商品が運ばれる状態が確保されているなど、サービス全体の配送レベルが維持されている点も素晴らしいですね。共同配送サービスの対象エリアの拡大にあわせて、参加する店舗を増やすことも検討しています。
現在は配送エリア・配送対象店舗に一部制限がありますが、利用できる範囲を拡大していただけるとありがたいですね。商品の配送以外でも、共同配送サービスのような共創をテーマにした取り組みが生まれると、イオンモールさんに出店している専門店としては非常に嬉しいです。

浪速運送株式会社
営業部 マネジャー
奥 正文さま
いま物流業界には、ドライバーの時間外労働がより厳しく制限されることで輸送能力の不足が懸念される「2024年問題」への対応が求められています。私どもはもちろん、取引先さまも課題に感じており、集荷時間を早めるご提案をいただくなど協力して改善を進めています。業界全体の課題として、当社だけでなく大手の物流企業を含め危機感を抱えており、各社が連携してそれぞれの強みを活かすことで解決していこうという流れが生まれています。
昨今はライフスタイルの変化とともに量販店や百貨店への商品の配送が少なくなり、当社の主力である衣料品をハンガーに吊るした状態で店頭まで運べるハンガー輸送の需要が減っています。アパレル業界を中心に配送業を行う当社として、日頃からお付き合いがある皆さまに貢献するには事業の柱となるものが必要だと考えていたので、共同配送サービスは本当にありがたいお話でした。イオンモールさんのような商業施設を運営する企業さまが主体となることで、ひとつの施設にまとめて荷物を運べる仕組みができれば商品の配送をトータルで効率化できるため、共同配送サービスに参加させていただく意義を感じています。
共同配送サービスへの参加は、売上につながるとともに当社の姿勢を示すものにもなりますね。既存の取引先さまからも高く評価いただき「こういった取り組みは、どんどんやってほしい」という声もいただいています。商業施設を運営する企業さまから物流の課題解決のご提案をいただくことはなかったので、まさに画期的です。ともに手を取り合い、サービスの提供に取り組めるのは当社としても誇りです。例えば、首都圏から地方へ商品を配送する際に、店舗数などがそれぞれ大きく異なる分、往路と復路でトラックに積む商品の量にどうしても差が生まれてしまうのですが、往復で同程度の商品を運べるのが理想です。トラックの効率的な稼働につながりますので、さまざまな施策を検討してこうした課題を解決できたら嬉しいです。

浪速運送株式会社
営業部 マネジャー
樋口 太朗さま
物流業界では90年代をピークにドライバーが20%減少しており、他産業と比較した際の労働時間の長さや賃金の低さが課題になっています。単純に人件費を上げて解決するものではなく、将来的に繁忙期や一部の地域でモノを輸送できないなどの問題が想定されます。そこで、発荷主、着荷主などにもご理解いただき、集荷時間の前倒しやリードタイムの緩和、物量の平準化に対応することで改善を進めてきました。
近年アパレル業界では、大量の商品をリアル店舗で販売していた量販店から、ショッピングセンターやオンラインへと販売場所が移行しています。量販店への配送を中心に事業を展開してきた当社として、アパレル業界の変化にあわせてショッピングセンターなどへの配送を強化したいと考えていたところにいただいたのが、共同配送サービスへの参加のお話でした。これまで関わりがなかった企業さまとの取引につながるほか、トラックの稼働を効率化できるため、ぜひ一緒にやっていきたいと思いました。イオンモールさんが主体となってサービスを立ち上げていただいたことで、商業ディベロッパー、専門店企業さま、私たち物流企業の三者が連携して物流課題に取り組むことができるため非常にメリットを感じています。
当初は実証実験として近畿・東海エリアに限定してサービスを開始したのですが、取引先さまから「地域限定だと利用しにくい」などの声をいただき、ある程度エリア規模を拡大することで導入しやすい仕組みをつくりました。当社としても、一度にトラックに積める商品の量を増やすことができたため、全体の効率化につながっています。当社は以前から、総合スーパーを運営するイオンリテールさんを含め、北海道から九州までのさまざまなアパレル店舗に、衣料品をハンガーに吊るしたままの状態で配送するハンガー輸送を行っており、全国へ配送できる基盤を構築していたのですが、共同配送サービスのエリアの拡大にもその配送ネットワークを活かすことができました。現在のアパレル、雑貨中心の配送から、さらに食品や資材なども効率よく配送できるよう、協力してサービス拡大に取り組んでいきたいですね。


ビジネスイノベーション推進部
部長 加藤 拓也
ビジネス共創 マネージャー 正木 佑
共同配送サービスは、商業ディベロッパーとして専⾨店さまの⽀援を⽬的にスタートした取り組みで、ますます深刻化する社会の物流課題解決にもつなげていきたいと考えています。
商品配送の仕組みを構築するにあたり、数社の専⾨店さまにヒアリングを⾏い、コスト⾯でニーズに応えられるよう調整したほか、他社の商業施設も配送対象に含めるなど、専⾨店さまの視点に⽴ったサービスを検討しました。
当社はあくまで商業ディベロッパーですので、このサービスで収益を得るというよりも専⾨店さまの課題解決に取り組み、ショッピングセンターのサステナビリティを高めるとともに、将来的には専門店さまの出店判断材料のひとつとなることをめざしています。
私たちビジネスイノベーション推進部は研究開発部門として、中長期的な価値創出を担っています。共同配送サービスをスタートできたのは、そういった部署ならではですね。
今後、共同配送サービスは対象エリアの全国への拡⼤を予定しています。アパレル系の商品以外にも、飲⾷‧⾷品や冷凍‧冷蔵の商品に対応できるよう調整していきたいです。また、梱包材はサステナブルなものを利⽤し環境に配慮するなど、商品の配送そのものに限らず、関連するさまざまな課題の解決に取り組んでまいります。