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イオンモール宮崎で、地域住民参加型防災訓練を実施

イオンモールでは、企業活動を通して社会課題解決に取り組む5つの重要課題(マテリアリティ)の一つとして、「地域・社会インフラ開発」を設定。地域インフラの一つとして、有事の際に“防災拠点”として活用していただける強靭なモールづくりに取り組むとともに、自然災害に備えて自治体やさまざまな団体と協力関係を構築しています。
また、防災の日(9月1日)を含めた9月は、防災月間として全国各地のモールで「防災フェス」「防災キャラバン」などを実施するなど、防災知識やスキルの啓発にも努めています。
今回は、イオンモール宮崎が実施した、「地域住民参加型防災訓練」についてご紹介します。

大規模災害に備え、地域住民を巻き込んでの防災訓練を実施

イオンモール宮崎
(左) オペレーション担当 伊藤
(中央)オペレーションマネージャー 田川
(右) オペレーション担当 山口

イオンモール宮崎(以下、当モール)では、南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備え、9月2日(土)に「地域住民参加型防災訓練」を実施した。今回は、万が一大規模災害が発生した際に、地域の皆さまに迅速に避難をしていただくことを目的に、当モールの近隣施設である「宮崎市中央卸売市場」の皆さまをはじめとした地域住民の皆さまにご参加いただいた。
当日は、宮崎市の「令和5年度宮崎市防災訓練」の実施に合わせ、地域住民の皆さま・宮崎市中央卸売市場の従業員の皆さま98名と、214店舗の専門店の皆さまやスタッフ・関係者を含め、計350名以上が参加する大規模な訓練となった。さらに避難後は、当モールの屋上駐車場にて「社会医療法人善仁会宮崎善仁会病院(以降、宮崎善仁会病院)」のDMAT隊(災害派遣医療チーム)による救護訓練を実施した。

講評の様子

モール独自に「3カ年計画」を策定

当モールでは、2019年まで年2回の法定訓練や啓発活動などを実施していた。しかし、2020年に新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、集合実地訓練を中止、チームごとに防災に関する問題に解答してもらう机上訓練などを実施していた。イオンモール宮崎オペレーションマネージャーの田川は、「当モールは津波避難ビルにも指定されており、有事の際に避難場所としてご利用いただくほか、防災活動や復興の拠点として重要な役割を担っています。また、宮崎では南海トラフ巨大地震の発生も危惧されているため、実際の災害発生時にお客さまや地域住民の皆さまを安全に避難誘導できるように、実践的な訓練を行う必要があると感じていました」と振り返る。

そこで2022年から、災害時に取るべき行動を従業員に浸透させることを目的に、防災の「3カ年計画」を開始。初年度は「災害時対応に関する知識を身につけること」を目標として、防災訓練を4回、消防訓練を2回に分けて実施。全専門店の皆さまにご参加いただくことで、災害時対応に関する知識の浸透を図った。2年目となる今年の目標は、「災害時の対応を認知し、自分の頭で考えること」。この実現に向けて、地域住民参加型の大規模な防災訓練の実施を進めた。

有事の際に、防災拠点としての役割を果たすために

早速、オペレーション担当の伊藤と山口は、自治会や宮崎市へ打診。宮崎市には先に、地域住民参加型訓練の計画があり、当モールを避難場所の一つとしてご活用いただけることとなった。
また、当モールから道路を挟んで向かい側の宮崎市中央卸売市場の皆さまへも参加を打診。災害発生時に当モールに避難いただく可能性があるが、実際の動きを訓練するのは初めてだ。さらに、救護訓練にご協力いただいた宮崎善仁会病院は、当モールに隣接する施設である。これまで救急搬送先としての関わりはあるが、深いつながりはなかった。そこで、有事の際によりスムーズに連携が取れるようにと参加をお願いしたところ、お互いに「地域と連携して実践的な訓練がしたい」という思いが共通し、ご協力いただけることになった。その後、実施に向けて関係各所と訓練内容のすり合わせを進めた。

当日の訓練内容と参加者の反応

今回は、朝9:00頃に南海トラフ巨大地震が起き、その後津波が発生した場合を想定した訓練。地域住民の皆さまには回覧板で事前に告知し、当日は防災アプリ「Hazardon(ハザードン)」や、宮崎市の公式SNSなどで地震発生のアナウンスを合図に訓練を開始した。伊藤と山口は、「今回は営業時間外の地震発生を想定し、専門店の皆さまには館内から屋上駐車場へ。宮崎市中央卸売市場と地域住民の皆さまには、外からスロープを使って屋上駐車場へ避難いただきました」と説明。
その後は、宮崎善仁会病院のDMAT隊にご協力いただき、負傷者の救護措置の実演や講評などを実施。地震発生後に津波が起こることを想定し、津波が引いた後に屋上で負傷者の救護措置を行うという一連の流れを、参加者の皆さまに体感していただいた。実施後、参加地域住民の方からは「避難の仕方だけでなく、DMAT隊という災害派遣医療チームを知るきっかけにもなった」との反響があった。
今回、計350名超えという大規模訓練が実施できた経緯について、伊藤と山口は「宮崎市から各所に働きかけていただき、最終的には7つの自治会にご参加いただけることになりました。宮崎市をはじめ、自治会や宮崎市中央卸売市場、宮崎善仁会病院の皆さまのご協力により、地域の安全・安心のために一丸となって訓練を成功させることができたと実感しています」と笑顔で話す。

訓練に参加された宮崎中央卸売市場さま

宮崎市中央卸売市場
中原さん

宮崎市中央卸売市場では、イオンモール宮崎さまの屋上駐車場を津波発生時の避難場所の一つとして定めています。そこで今回お声がけいただいたことをきっかけに、実際の避難方法の認知や防災への意識を高める良い機会になると考え、参加させていただきました。
宮崎ではここ数年で地震が頻発しており、中には大きな地震も発生しています。市場としても今後さらに災害への備えを強化する必要がある中で、避難場所までの距離や、避難にかかる時間などを把握できたことは大きな収穫になりました。特に昨今はコロナ下の影響で、こうした大規模な防災訓練をなかなか実施できなかったため、改めて災害と向き合う有意義な時間になりました。今後は他分野においてもイオンモール宮崎さまと連携を取り、地域の発展につながる取り組みを行っていきたいと思います。

今後も規模を拡大し、安心・安全をお届けできるモールづくりへ

今回、初めて地域と一体となった防災訓練を実施したことで、周辺施設や地域住民とこれまで以上に深い関係性を築くことができた。3カ年計画の最終年となる来年は、この2年間で培った知識と経験を生かし、「災害発生時の対応を、自分で考えて動けるようになること」が目標だ。
今後の取り組みについて田川は、「私たちイオンモールが、地域の方々にとって欠かせない存在になれるよう、またこれからも地域の皆さまに『何かあれば、イオンモール宮崎に行けば安心だ』と思っていただける強靭なモールづくりを目指し、より規模を拡大して訓練を続けたいと考えています」と意気込みを述べた。
今後も、当モールをご利用いただくお客さまや、地域の皆さまに安全・安心をお届けできるよう、当モールの施設を活用した実践的な防災訓練を実施していく。


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