地域をつなぐ。未来をつむぐ。

ごみを資源として循環させる社会に ~イオンモール座間「サーキュラーモール」の取り組み~

イオンモールは、モール内で発生する廃棄物の削減に取り組み、再利用する仕組みも構築しています。目指すのは、お客さまや専門店、地域社会と共創し、イオンモールを起点に、地域で集まるさまざまなモノを “資源”として循環させる社会。イオンモールでは、“まちの資源循環”として、「サーキュラー(循環)モール」を実現するための取り組みを進めています。
例えば、6Rs<Rethink(考え直す)、Repair(修理する)、Returnable(購入先に戻す)、Reduce(減らす)、Reuse(再利用する)、Recycle(再資源や製品化する)>に基づき、脱プラスチックの取り組みや衣料品回収、フードロスに取り組んできました。
今回は、フードコートから出る「紙ごみ(燃えるごみ)」に着目し、行政や地域企業と連携したリサイクルへ繋げた「イオンモール座間」(神奈川県)の取り組みをご紹介します。

フードコートから出る紙ごみをリサイクル

イオンモール座間
オペレーションマネージャー 川端

イオンモールのフードコートでは、毎日大量のごみが発生する。脱プラスチックの取り組みとして、2020 年からはプラスチック容器を紙容器に、プラスチックストローを紙ストローに変更し対応してきたが、その一方で「紙ごみ」の増加が新たな課題として浮上。イオンモール座間オペレーションマネージャーの川端もこの問題に頭を抱えていた。「プラスチックごみが減っても紙ごみが増えてしまったら、ごみ問題の解決には至りません。
コストを考えたら紙ごみを燃やしてしまうほうが良いのですが、二酸化炭素の排出量が増えてしまう。地球温暖化への影響を考え、紙ごみを資源に変えなければならないと思いました」と語る。

イオンモールと座間市のタッグで実現

イオンモール座間は、抱える課題に対し神奈川県座間市と情報交換を開始。座間市でも、燃えるごみの処理能力がすでに限界に達し、ごみの削減が喫緊の課題になっていたこ とから、両者がタッグを組み、紙ごみを再生紙に循環する取り組みが始まった。

課題となったのは、フードコートから出る紙ごみに付着する食べかす等の汚れや、紙容器の防水・耐水加工。紙ごみの中でも特にリサイクルが難しく、紙を洗浄する工程も必要だ。そこで座間市が、古紙再生分野で世界最高レベルの技術と、紙ごみの洗浄と再資源化の知見を持つ静岡県富士市の「コアレックス信栄(株)」をイオンモール座間に紹介、資源化に向けた取り組みがスタートした。

但し、イオンモール座間からの紙ごみを洗浄工程へ進めるには、回収量が足りなかったため、これまで燃やされることが多かった座間市の家庭から出る汚損した紙などの難再 生古紙と合わせ、収集運搬・圧縮梱包。2023年1月から座間市が市内で排出されるミックスペーパー(燃やされることが多かった紙類)の基準を見直し、再生紙としてリサイクルする事業スキームを構築した。再生紙はトップバリュのトイレットペーパーとして全国のイオンで販売している。

新たな連携の枠組みを全国へ

ご協力いただいた 座間市役所の皆さん

座間市リユース推進課の中嶋さんは「本取り組みは全国初の事案だったこともあり、実施にあたっては多くの課題がありました。しかし、“フードコートから出るごみ”のリサイクルと紙資源での有効活用は、その社会的意義を含め公益性が極めて大きいため、賛同してくださった皆さまと共に、一つひとつの課題を解決したことで実現できたものと考えています。」と話す。

この取り組みは、自治体やパートナー企業が連携した資源循環で全国初の実証事業だ。座間市も、この取組が全国的に浸透することで、事業系のごみを減量させる第一歩になると考えている。

「イオンモールだけでは実現できないことも、自治体とコアレックスさんと協力することで実現することができました。この連携の枠組みを地域ごとにオリジナル化し、他のモールにおいても水平展開することで、日本全国の廃棄物削減と資源循環に貢献できる取り組みになるのでは」と川端。

なお、イオンモール座間と座間市は、イオンモール座間のオープン(2018 年)を機に「包括連携協定」を締結。今回の取り組みについてもその一環だ。今後も両者で協力し、より多くの地域の皆さまにこの取り組みを知っていただくことで、環境負荷の低減やサーキュラーエコノミーの推進へのご協力を広めていく。

イオンモールが、地域とともに持続可能な社会の実現に向けて取り組む「サーキュラーモール」の実現には、まだ多くの課題が残されています。地域のくらしに身近なイオンモールだからこそできることをひとつずつ行動に起こす、そんな取り組みを全国のモールで今後も継続していきます。

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