地域の発展ととも成長を続けるイオンモール。
お客さまはもちろんのこと、専門店企業や行政など様々なステークホルダーにとって魅力ある存在であり続けるために、
“地域No.1モール”のさらなる進化にチャレンジしています。
群馬県高崎市は、古くから交通の要所として栄えてきた群馬県最大の商業都市です。2006年、群馬県内2店舗目のショッピングモールとして開業したイオンモール高崎は、2020年6月26日に増床リニューアルオープンを迎えました。北関東No.1モールをめざす今回のリニューアルでは「ミライを紡ぐ次世代モールへ」をコンセプトに、ゾーニングへの徹底したこだわりが特徴のひとつ。そこに込められた活性化プロジェクトメンバーの想い、乗り越えた数々の困難など、大規模増床リニューアルにまつわるエピソードを紹介します。
「イオンモール高崎」の増床計画が立ち上がったのは2015年。開発部、リーシング部など関係部署が計画を進めていました。当モールは、2006年の開業から、群馬県内売上一番店として地域から支持されてきましたが、高崎市をはじめ群馬県内に競合モールの開業が相次ぎ、2013年の大規模リニューアル実施後も来店客数や売上が伸び悩んでいる状況です。その改善に向けて、商圏マーケット調査や来店客調査、来店客アンケートなど、5年をかけた綿密なデータ分析にもとづいて増床リニューアル計画を作成しました。
もともとイオンモール高崎のメインターゲットは、30~40歳代の子育て世代です。ここを軸としつつ、高齢者や10代、20代のお客さまへと裾野を広げていく計画でした。今回のプロジェクトでは、引き続きイオンモール高崎がお客さまに支持してもらえるように、将来、メインターゲット層へと成長する10~20代をサブターゲットに設定。マーケット調査・分析を通して「都市型ファッションの強化」「美と健康の追求」「子育てソリューションの充実」「食物販ゾーンの拡大」「フードコートの進化」という5つの戦略キーワードを導き出しました。リニューアルコンセプトは、群馬の文化遺産である富岡製糸場と掛け、『ミライを紡ぐ次世代モールへ』。 “お客さまの暮らしの糸を紡ぐ”地域No.1モールとなることを、プロジェクトチーム一同が決意しました。
目標は、商圏を拡大し、広域エリアから集客を図ること。また、リニューアルを行うことで鮮度を取り戻し、さらにお客さまから選ばれるモールにすることも重要な目的のひとつ。そのカギを握るのは、商業施設にテナントを誘致する「リーシング」です。今回のプロジェクトでは、従来の増床リニューアルとは一線を画す“ワンランク上のリーシング”をめざして、集客や売り上げの最大化に徹底してこだわりました。全国初の試みである無印良品と未来屋書店のコラボレーションによるコンセプトストアは、リーシング企画の目玉のひとつ。衣食住の提案を得意とする無印良品に未来屋書店が交われば「衣食住+知」という新しいライフスタイルが生まれるはず。両企業のシナジーを確信したリーシング担当やゼネラルマネージャー(GM)は、両企業に対し約一年にわたりプレゼンテーションを続けました。企業から企画実施の了承を得られても、そこから実際にカタチにする工程はさらに困難を極めました。両テナントの世界観をひとつにするため、内装を統一し、壁を取り払い、レジや接客方法、ラッピングなど、細部にいたるまで設備・ルールを共通化していきました。グランドオープンの間際まで続く調整は、まさに「妥協なきリーシング」を体現していたといえます。
コロナ禍で増床グランドオープンを迎えたイオンモール高崎。館内で安全に安心してお買い物を楽しんでいただけるよう、防疫対策を徹底することはもちろん、プロジェクトメンバーは各テナントに頻繁に連絡を取り、スタッフの状況はどうか、売り場の準備状況はどうか、困っていることはないか、いつにも増して細やかに確認を続けました。テナントさまもイオンモールのメンバーも想いは同じ、ともに安堵と大きな感動を味わった瞬間でした。
人気ブランドの“県内初出店”や“旗艦店”が揃う新生イオンモール高崎。「これまで東京で買っていたブランドが地元で買えるようになった」など、GMのもとにはお客さまからの喜びの声が相次ぎました。地元企業が新業態のハワイアンレストラン「Kauai Diner」を初出店。開業後には連日大盛況の店となり、他エリアのリーシング部から注目を集めるほどの存在になりました。同店はイオンモール高崎を1号店として、その後、イオンモール上尾にも出店。全国のイオンモールを介して地場企業が成長していく、それを支え、後押しするよろこびは、プロジェクトメンバーにとって大きな財産です。このように様々な反響を生んだ活性化プロジェクトによって、イオンモール高崎は北関東No.1モールへの一歩を踏み出しました。