EC(ネットショッピング)は存在感を増し、どこにいても手軽に買い物ができる時代になりました。こうした状況は、イオンモールのようなリアル店舗の在り方について深く考える機会になっています。そのヒントは、ある店長との何気ない会話の中にありました。内容は12,000円のワンピースを買いに来たお客さまと話をしていたら、結果的に8,000円のパンプスを購入いただいた、という出来事でした。売上を考えれば欲しいものをそのまま売ったらよいのになぜなのか。これは店長の接客力が、お客さま自身が知らない「パンプスが欲しい」という気持ちを気づかせた、そして単純に売るという行為ではなくお客さまの喜んでもらうために店長は行動した —と分析することができるでしょう。今ではそのお客さまはお店のファンとなり定期購買されています。AIレコメンドは人の気持ちやシチュエーションは理解できませんし、人の真の購買動機は定数化できません。つまり、私たちの強みであり今後さらに注力すべきは、お客さまの潜在ニーズを引き出すことで、お客さまの買い物体験における満足度を高めることではないでしょうか。それが、次のステージへと進むイオンモールの重要な指針のひとつとなるに違いありません。
イオンレイクタウンが変わっていくためには、「マーケットイン思考」が重要です。これは、お客さまの視点に立って戦略を考えることを指します。仕事をしていると現実的なリソースから積み上げて問題を考えてしまうことで、お客さまが見えていない瞬間があります。そうならないように組織運営においては、若手社員をはじめ、忌憚のない多様な人々のアイデアを採り入れることを重視しています。お客さまが多様化しているのに、我々が多様化しなくてどうやって対応できるのかということです。それに私自身優秀ではないという自覚があります、ですから色々な人のアイデアがそもそも必要なのです。今までたくさんの方に支えられてきました。新卒入社後の2年間はオペレーション担当として勤め、その経験はGMとしてモール運営に携わるうえで重要な基礎をなしています。その後に経営企画部への配属となりましたが、自分の力不足に悩む毎日。しかし、とにかく恐れずにいろいろな人に質問をしてきたことが、成長の糧になったように思います。社内に知らない人がいないほど人脈が広がり、さまざまな価値観から最適解を導き出す調整能力が鍛えられました。次に異動となった秘書室では、社長の思考方法や判断基準を間近で学び、GMとしてリーダーシップをとるうえで重要な指針となっています。社会に出て触れたものすべて決して無駄になることはありません。SCの業務領域は非常に広いので、明確に成し遂げたいことを思い描き、チャレンジすることを楽しんでほしいと思います。共に次世代のイオンモールを築いていきましょう。
大学時代は経営学のゼミで商店街の活性化に取り組んでいました。500店舗ほどから成る商店街をモデルケースに、どのような運営がなされているのか実地調査しましたが、そこから見えてきたのは、商店主によって考え方も方針も異なるため、意見のすり合わせが非常に難しいという課題でした。この経験から、学生ながらに組織を運営することの難しさを実感するとともに、だからこそ組織運営に挑戦してみたいとも思うようになりました。現在の仕事でも当社社員のみならず、テナントさまからもさまざまな意見をいただきますが、どれもモールをより良くしていくための貴重な情報です。今後も皆さんがアイデアを発信しやすいような雰囲気作りを大切にしたいですね。