コーポレートガバナンスに対する基本的な考え方

当社は、「お客さま第一」を基本理念として、『イオンモールは、地域とともに「暮らしの未来」をつくるLife Design Developer(※)です。』を経営理念に掲げています。この経営理念の下、持続可能な社会の実現に向けて、企業市民として地域・社会の発展と活性化に貢献する当社の企業活動を「ハートフル・サステナブル」と定め、さまざまな取り組みを推し進めています。
ローカライゼーションの視点に基づいたエリアごとに個性あるモールづくりを国内外で推し進めることにより、人々のライフスタイルの向上と地域社会の発展に貢献するとともに、地域・社会の課題に対してソリューションを提供し続けることで、地域コミュニティにおける中核施設としての社会インフラ機能のポジションを確立してきました。2023年5月には、不確実性が高まる時代において、持続可能(サステナブル)な社会をつくる、また強靭(レジリエント)な組織をつくりあげていくことを目的として、2030年ビジョン「イオンモールは、地域共創業へ。」を新たに策定しました。お客さま、地域社会、パートナー企業さま、株主・投資家さま等の同じ志を持つステークホルダーの皆さまとともに、「つながる」を創造し、広げ、深め、持続可能な地域の未来につながる営みを共創する企業をめざしていきます。
これらを実現するために、コーポレート・ガバナンスが経営の最重要事項のひとつと認識し、継続的に強化します。

※Life Designとは、商業施設の枠組みを越えて、地域のお客さまのライフステージを見据えたさまざまな機能拡充を行い、ショッピングだけでなく、人との出逢いや文化育成なども含めた「暮らしの未来」をデザインすることと定義しています。

  1. 株主の権利及び権利行使に係る環境整備を行い、平等性を確保し、株主との適切な協働を進め、持続的な成長につなげます。
  2. 取締役会・経営陣は、お客さま、地域社会、パートナー企業さま、従業員、株主・投資家さま等のステークホルダーの権利・立場や、事業活動における倫理を尊重し、企業文化・風土の醸成、積極的なサステナビリティの取り組みのため、リーダーシップを発揮します。
  3. 財務情報・非財務情報について、「開示方針(ディスクロージャーポリシー)」、「情報開示管理規則」を定め、適切で分りやすい情報開示を行い、透明性・公平性を確保します。
  4. 取締役会は、多様な経験と専門性を持ったメンバーで構成され、小売業出身のディベロッパーの強みを活かしながら、独立社外取締役の選任及びガバナンス委員会、指名・報酬諮問委員会による監督体制の強化をしています。また、執行役員制度により、経営の意思決定の迅速化及び監督機能と業務執行機能を分離し、透明性の高い経営を実現し、長期ビジョン・中長期計画等の重要な企業戦略を定め、施策を推進します。
  5. 株主との建設的な対話を通じて得られた意見や評価を経営に反映することにより、企業価値の向上に活かします。

政策保有株式に関する基本方針

当社は、政策保有株式について、事業戦略、取引関係などを総合的に勘案し、中長期的な観点から当社グループの企業価値の向上に資することを目的として保有することを方針とします。
個別の政策保有株式については、年1回の取締役会において、保有目的、保有リスク、資本コスト等を含めた経済合理性を総合的に検証し保有の合理性を判断しており、その意義が乏しいと判断される株式については市場への影響等を勘案しつつ売却を検討し、その結果について開示していきます。
また当社は、政策保有株式の議決権行使にあたっては、議案毎に、当該企業の中長期的な企業価値の向上につながるか、当社の企業価値を毀損することがないかを確認のうえ、必要に応じ発行会社と対話を行ないつつ総合的に賛否を判断することとします。

関連当事者間の取引に関する基本方針

当社は、少数株主の意見を取締役会に適切に反映するため、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役のみで構成するガバナンス委員会を設置しています。
取締役が、自己又は親会社、子会社、その他イオングループ各社等第三者のために当社と利益が実質的に相反する恐れのある取引や競業関係に立つ取引を行う場合、または親会社及びイオングループ各社との重要な取引を行う場合、ガバナンス委員会にて、当社の企業価値向上の観点から当該取引の公正性及び合理性の審議を行い、その議事については取締役会に答申します。取締役会での審議の際は特別利害関係人を除外したうえで決議し、手続の公正性を確保します。
当社がイオングループ各社と取引を行う場合は、「関連当事者取引管理規則」に則り、「関連当事者リスト」により該当企業を明確化し、決裁時に関連当事者以外の企業等との取引事例の比較表を添付するルールを定め、取引条件の客観性を確保します。年1回、関連当事者取引先各社との年間取引実績の増減率等の報告を取締役会に行い、取引の合理性及び相当性を精査します。
2023年度におけるガバナンス委員会の開催実績は8回であり、イオングループ各社との取引等を審議し、取締役会に答申いたしました。

親会社との関係

イオングループでは、グループ会社の経営の自主性・独自性を重視し、分権制によるグループ経営を実践することで、グループ全体の企業価値が向上するものと考え、創業以来これを実践してきました。グループ会社のうち、特に事業・地域の特性を踏まえた自律的経営により持続的な成長が促進され、資本市場からの規律によりその経営の質が向上すると見込まれるものについては上場子会社とすることを方針としています。イオン株式会社は、当社の議決権の58.23%(2024年2月29日現在)を有する親会社であり、その出資比率は、直接保有、間接保有分を含め、当面過半数が維持される見込みです。
当社は、イオン株式会社(純粋持株会社)及び、同社の連結子会社・持分法適用関連会社により構成する企業グループに属しており、イオン株式会社が、グループ戦略の立案、グループ経営資源の最適配分、経営理念・基本原則の浸透と統制、共通サービスの提供等を担い、グループシナジーの最大化を図る一方で、当社を含めたグループ各社は、専門性を高め、地域に密着した経営を行うことで、より一層のお客さま満足の向上を図っております。
当社は、イオングループにおけるディベロッパー事業の中核会社として、日本および中国、アセアン各国において地域と共生するショッピングモールの開発・運営を行っており、グループ各事業と連携しながら、サービスの提供や施設の充実を図っています。また、商業不動産としてのビジネスを担うだけではなく、グループのサービス・専門店企業のプラットフォームとしての機能も担っています。
イオングループのディベロッパー事業においては、マーケティング、開発、リーシング等のディベロッパー機能統合は完了し、グループにおける大規模ショッピングモールの開発および管理・運営については当社が一元的に事業展開を担う体制となっています。よって、当社を除くグループ各社と当社との間では事業の棲み分けがなされており、現在競合する関係にはなく、また今後も発生する見込みはありません。