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第三者意見

(公社)日本消費生活アドバイザ・コンサルタント協会
常任顧問

古谷由紀子 氏

中央大学法学部卒業。1988年に内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格消費生活アドバイザー取得。2004年から2012年まで(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事、2012年から現職。このほか、社会的責任に関する円卓会議運営委員ほか、企業の社外委員を務める。著書に「消費者志向の経営戦略」などがある。

1.地域社会の拠点としての発展

  64のショッピングモールの展開に加えて、さらに次世代へ向けた新しいモールづくりを通した貴社のCSRの取り組みは、時代や消費者の変化を見据えたモノからコトに目を向けており、現在の消費者のニーズをとらえたCSRの取り組みであると思います。
 今後は消費者のニーズであるくらしの可能性を広げるとともに、消費者のくらしにある課題や地域における課題について、情報発信の拠点として展開されることも期待します。たとえば、専門店による「食生活提案型カフェ」を行う際に、地球の未来を考慮した食生活の提案、あるいは「公的サービスの提供」を行う際に、消費生活に関わる安全・安心に関わる情報の発信などを行うと、現在の社会課題の解決にもつながると思います。

2.CSRの取り組みの見える化・協働化

 貴社ではCSRの取り組みの見える化や協働化が進んでいると評価できます。たとえば、環境に関わる冊子の配布、資源物廃棄のデータ化、古紙回収等のポイント制、CSR会議、従業員の声とそれへの回答の紹介、モールの安全管理についてのアンケートなど積極的にステークホルダーの意見を聞き、それに応える、そして情報を開示するなど多様な方法でCSRの取り組みを見える化し、かつ協働化させていると思われます。持続可能な社会の構築は企業のみでは実現できないことから、多様なステークホルダーに貴社の取り組みを開示し、ステークホルダーとともに取り組みができるようさらなる進展を期待しています。

3.人材活用

 女性活用やグローバル人材の活用が進展していると評価できます。特に労働組合の声を聞いていることは評価できると思います。ただ女性活用もグローバル人材の活用も日本の社会では様々な困難があり社会共通の課題だと思われます。そこで、これらの取り組みにおいて、貴社では今何が問題になって、どのように解決しているのかを記載するとまさに日本の社会課題への取り組みとして日本社会に大きく貢献すると思われます。

4.CSRマネジメント

 ISO26000に対応する「5つの柱」をベースに社会的責任を果たされていますが、ISO26000では「組織統治」も中核主題の1つになっていることから、今後は「組織統治」も踏まえたCSRマネジメントを構築されるといいのではないでしょうか。その際の考え方として、特にISO26000では自社の活動について、プラスだけではなくマイナスの影響範囲を把握し、それらの解決のためのプロセスを重視しています。そこで、ステークホルダーとの対話やエンゲージメントも含めたガバナンスの仕組みをCSRマネジメントとして構築することや、SR会計について、環境以外の社会課題の項目を定量化しCSRの報告や管理を充実させるといいのではないでしょうか。

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