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CSR・環境活動

イオンモール CSRレポート 未来への報告書2016

第三者意見

高岡 美佳 氏

立教大学経営学部教授
高岡 美佳

【プロフィール】
青山学院大学経営学部卒。東京大学大学院経済学研究科で博士号取得。大阪市立大学助教授、立教大学経営学部助教授などを経て2009年4月より現職。主な研究テーマは、流通経済論、CSRとブランド価値、システムと消費者行動。著書に『サステナブル・ライフスタイルナビゲーション』(日科技連出版社、2007年)など。

評価できること

■イオンモールのCSRレポート(冊子版)に第三者意見を寄せるのは今回で2回目となります。本レポートは「地域とともに『暮らしの未来』をつくるLife Design Developer」を経営理念とするイオンモールの多角的な活動を、特集および同社が掲げるCSRの5つの柱に沿って報告しています。今年度は、女性の管理職比率も新たに掲載されるなど内容が一層充実した印象を受けます。また、昨年度に引き続き、ステークホルダーの生の声や現場の写真も多く掲載されており、CSRコミュニケーションの点から見ても優れたレポートと言えるでしょう。

■昨年度も第三者意見として書かせていただきましたが、ショッピングモールを取り巻く経営環境は大きく変わりつつあります。大規模商業施設が一定数に達している国内において、ショッピングモールは今後、「地域の特色を魅力的に映し出し、周辺に暮らす皆さまのライフステージに応じたニーズを満たす商業施設」としての役割を強く求められます。 今回のレポートでは、New Mall Informationで同社が2015年度にオープンした「海と空を120%楽しむエンターテイメントパーク」イオンモール常滑などの個性豊かなコンセプトモールが紹介されています。また、特集1では、時代の変化や地域の新しいニーズに対応するために行っている既存モールのリニューアルや「究極のローカライゼーション企画」を取り上げています。個々の地域の開発を通じて人々の幸せや持続的な生活をサポートするディベロッパーという業種にとって、これこそが第一義的に果たさなくてはならない重要な社会的責任と言えるでしょう。同社の本業を通じた社会的責任意識の高さを評価したいと思います。

特集1では、それ以外に、性別・雇用形態の異なる従業員がワークライフバランスを実現しながらイオンモールで働く様子が描かれています。社員の職場環境報告にあるように、イオン(株)・UNIグローバルユニオン・UAゼンセン・イオングループ労働組合連合会の4者は、国内で3例目となる「グローバル枠組み協定」を締結しており、協定内容にはILO(国際労働機関)中核的8条約の尊重が含まれています。また、モールで働く地域雇用の従業員に対してもキャリア支援や子育て支援に関して手厚い制度を備えています。
社員・従業員は企業にとって重要なステークホルダーであり、生産人口が減少する国内においてその重要性はますます高まるでしょう。今後もぜひ活動を継続していただきたいと考えます

■イオングループは環境保全意識が高いことで定評がありますが、同グループに属するイオンモールも例外ではありません。本レポート内の環境配慮報告にあるように、同社は2015年にGRESB調査において「グリーンスター」評価を取得しました。また、グループ全体のEV(電気自動車)充電器の設置数は2016年4月時点で193拠点のEV充電ステーションを構築しています。その他、廃棄物削減、資源回収・リサイクル水質保全省エネルギー生物多様性への配慮など従来から力を入れてきた項目についても意欲を持って取り組んでいます。
特集3からわかるように、同社は海外出店を加速させていますが、海外店舗においても太陽光発電やコジェネレーションシステムを積極的に導入し認証評価を取得しています。同社の環境意識の高さを評価したいと思います。

要望したいこと

■CSR活動を適正かつ継続的に改善していくためにはPDCAサイクルの導入が不可欠です。次回のレポートでは、イオンモールが自ら重要だと考えて実施している主なCSR活動について、その目的や取り組み内容、目標値、達成度などを一覧の形でぜひ示していただきたいと考えます。
また、中期的にはISO26000の7つの中核主題のフレームワークを使ってCSR活動を整理することも検討してはいかがでしょうか。

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