社長メッセージ

新たな成長ステージに向けて
海外での積極的な事業拡大と国内の収益基盤強化に
注力します。

Q3海外事業の状況について教えてください。

各国の成長エリアをターゲットにしたドミナント出店を推進し、
ブランディング強化と競争力あるリーシングを実現しています。

当社では、中国・アセアン地域を中心とする海外事業を、将来の重要な成長ドライバーに位置づけ、積極的に新規出店を推進してきました。2015年度は8モールを出店し、海外モール数は合計17モール(2015年度末現在)に達しました。中国では、2015年度に6モールを新規出店し、現在、12モールを展開しています。2015年12月にオープンした湖北省2号店の「イオンモール武漢経開」は、総賃貸面積10万5,000m2を有する中国では最大規模のイオンモールです。また、2016年1月には、江蘇省3号店となる「イオンモール蘇州新区」をオープンしました。

中国では、この「湖北」「江蘇・浙江」に「北京・天津」「広東」を加えた4つのエリアでモール出店を推進しています。各エリアにおいてドミナントを形成することによって、地域のお客さまに対するイオンモールのブランディング強化やシェア拡大につながっていることはもちろん、リーシングの面でも大きな効果を上げています。当社の継続的なモール展開方針や、1号店における実績などが地域の有力な専門店さまから高く評価され、2号店・3号店にも好条件で出店いただけるケースが増えており、非常に競争力のあるモールづくりが可能となっています。

中国市場につきましては、GDP成長率が7%を割り込むなど、経済の減速を懸念する声が上がっています。ただし、このGDPの成長鈍化の背景には、中国経済の構造変化があることも見逃せません。実際、これまで過熱していた不動産投資や輸出の伸びが鈍化した一方で、個人消費については現在も10%前後の着実な伸びを維持しています。中国のイオンモールの既存ベースの専門店売上は、中国全体の小売売上の伸び(10.7%増)を上回る成長を続けており、来店客数も前年比2桁増で推移しています。個人消費の拡大は、中国政府の経済政策の大きな柱であり、今後、中間所得者層が厚みを増していくことによって、さらなる売上拡大が期待できるものと考えています。

中国既存モールの前期比
  2014年1月-12月(累計) 2015年1月-12月(累計)
イオンモール専門店売上 117.9% 124.9%
イオンモール来店客数 121.4% 110.8%
  • 2014年1月~12月は3モール、2015年1月~12月は4モール
    (但し、2015年8月~12月は営業を休止していた「イオンモール天津TEDA」を除く)
  • 中国現地法人の決算期末は12月末

一方、アセアンでは、2015年に2モールを新規出店し、現在、ベトナム3、カンボジア1、インドネシア1の合計5モールを展開しています。2014年6月にオープンしたカンボジア1号店「イオンモール プノンペン」では、車での来店客数の急増に対応して、2015年7月に800台の立体駐車場を増設しました。この施策が功を奏して、来店客数、売上高とも大きく伸長し、2015年度の黒字化が実現しました。これを受けて、同じプノンペン市内に2号店の用地を確保しました。2号店は、アミューズメントやサービス機能の充実を図り、1号店とは個性の異なるモールとして2018年度にオープンさせる計画です。

インドネシアでは、人口3,000万人を有するグレータージャカルタ地区において、ジャカルタ市郊外のニュータウン開発が盛んに進められています。2015年5月にオープンしたインドネシア1号店「イオンモールBSD CITY」は、そんなニュータウン開発プロジェクトの一つとして注目される地区に立地しています。現在、同じジャカルタ市郊外において複数の候補物件が上がっており、2017年度に1モール、2018年度に2モールのオープンを予定しています。

2015年10月にハノイにオープンした「イオンモール ロンビエン」を加え、3モールを展開しているベトナムでは、2016年3月、ホーチミン市とイオン株式会社の間で、同市におけるイオングループ各社の投資・事業推進に関する包括的覚書を締結しました。2016年7月にはベトナム4号店となる「イオンモールビンタン」をオープンし、今後もこうした協力関係を活かしてホーチミン市における新規出店を推進していくほか、ハノイにおいても新規出店を検討しています。

吉田社長の写真

この海外事業の基盤強化を図るために、当社ではローカル人材の育成強化とオペレーションの現地化に力を注いでいます。中国・アセアン市場におけるイオンモールの強みとしては、コンセプトゾーンの開発をはじめとするモールの魅力的な業種構成や、清潔さや安全性、環境に配慮した施設、そして日本的なおもてなしのスキルを備えたローカル社員によるオペレーションがあります。こうした差別化要素をイオンモールの文化として現地に根付かせていくためには、ローカル社員の中から将来の幹部となる人材を養成し、彼らにオペレーションを任せていくことが重要になります。

2008年からモールビジネスを展開してきた中国では、すでにローカル社員だけで運営しているモールが4カ所に達しています。さらに、これまでは日本人社員が運営を軌道に乗せてから引継ぐ形でしたが、次なる現地化のステップとして、2016年度には新規オープンを中国の社員だけに任せます。もちろん、アセアンにおいても、各モールの状況に合わせて、逐次オペレーションの現地化を推進していく方針です。

オペレーションの現地化と同時に、ローカル社員を対象とした人材育成システムの強化やキャリアプログラムの整備にも力を注いでいきます。中国・アセアン地域では、経済発展に伴って職業の選択肢も大きく広がりつつあります。そこで、“イオンモールで努力して結果を出せば、魅力ある重要なポジションに就くことができる”という将来ビジョンを明示することによって、優秀な人材確保とモチベーション向上を実現したいと考えています。