特別企画:社外役員座談会

多様な価値観を経営に反映させて
持続的成長と企業価値向上の実現を

取締役会/取締役会運営への意見・提言

担当業務の枠を超えた議論を活性化し
持続的成長に向けた中長期の戦略作成を

――当社の取締役会およびその運営についてのご意見やご提言をお聞かせください。

河端この1年間、取締役会に出席させていただき、皆が自由に発言できる風通しの良さを感じました。とくに事前のブリーフィングで一つひとつの議案について詳しく説明していただけるので、私たち社外役員にも非常に理解しやすく、適切な質問ができますし、意見も述べやすい。この点は高く評価できると思います。

平真美氏の写真

私が最初に監査役に就任した2011年頃は、執行側と社外役員のコミュニケーションにまだぎこちなさがあったといます。社外役員が質問すると、執行役員の方が変に構えてしまったり、それを受けて私たちも“聞かなければよかったかな”と気を遣ってしまったりと。しかし、最近では河端取締役がおっしゃるように、誰もが自由に意見・質問できる環境になりましたし、私たちの意見にすべての出席者が真剣に耳を傾け、検討しようとする姿勢を感じます。

鈴木やはり社外役員からは、社内の人間が思いもよらない質問・意見が出るので、最初は執行側も戸惑っていたのでしょうね。しかし、そうした外部の目、多角的な視点から意見を出すことこそが社外役員の存在意義でもありますから、私たちは変に気を遣ったり、その場の空気を読んだりせずに、思ったことどんどん発言すればいいのはないでしょうか。

市毛それは非常に重要だと思います。執行役員の皆さんはいわば経営のプロですから、個々の事案ついて私たち部外者よりも合理性のある判断を下せるはずです。しかし、全員が事業に精通しているがゆえに、執行役員の間に一種の“暗黙知”が共有され、その“暗黙知”が本当に正しいかどうかが検証されないまま、当り前のように議案が通ってしまう場合もあります。

例えば、イオンモールに限らず、流通業界では、成長戦略イコール“巨額の借り入れをして積極的に新店を展開して事業を拡大すること”というのが常識というか暗黙の了解になっているように思えます。

市毛そういった業界の常識、社内の暗黙知といったものに対して、私たち社外役員が多様な視点から疑問を投げかけ、意見を述べることによって、取締役会での議論を深めていけば、経営判断の精度をさらに高めることができるはずです。

河端政夫氏の写真

河端もう1つ提言するなら、「イオンモールという会社が将来どのように持続的成長を果たしていくか」といった中長期的な経営テーマについて、取締役会でもっと積極的にディスカッションすべきではないかと考えています。

同感です。そしてそのためには、執行役員が自ら担当する事業部門の枠を超え、他部門の事案や全社的な経営テーマについても、より強い当事者意識を持って活発な議論ができるような場にしていく必要があります。

鈴木取締役会のメンバーは、業務執行担当である前に取締役であり、他部門に関する経営判断についても責任を負っているわけですから、他部門の事案に対しても受け身ではなく積極的に発言していかなければなりません。こうした部門を超えた議論が活発化すれば、取締役相互の監督機能といったものも自ずと発揮されるはずです。

河端コーポレートガバンナンスコードの全73項目の中でも適用が難しいとされる項目に「取締役会評価」があります。そういったディスカッションを活発化させるとともに、取締役の自己レビュー・相互レビューなどの仕組みを採り入れて、ぜひこの項目をコンプライしていただきたい。そうすれば、ガバナンスの面でもさらに素晴らしい会社になれると思います。

市毛さらに、私たち社外役員からの意見も含め、毎回の取締役会で浮かび上がった課題を執行側でPDCAサイクルに乗せてフィードバックするようにすれば、より強力なモニタリグ機能を発揮できるはずです。