特別企画:社外役員座談会

多様な価値観を経営に反映させて
持続的成長と企業価値向上の実現を

イオンモールには、現在、社外取締役2名、社外監査役3名の社外役員が在籍しており、客観的視点から当社の経営内容をチェックし、企業価値向上に貢献いただいています。
そんな社外役員の皆さまに、取締役会運営への意見や事業課題などについて語り合っていただきました。

座談会をされた社外役員の皆さんの写真

  • 社外取締役(独立役員)河端 政夫
  • 社外取締役(独立役員)平 真美
  • 社外監査役(常勤)鈴木 順一
  • 社外監査役(独立役員)市毛 由美子
  • 社外監査役(独立役員)村松 高男

東京証券取引所が定める上場規程において、少数株主と利益相反が生じる恐れのない社外取締役または社外監査役。

取締役および監査役ページに略歴を記載。

社外役員が果たすべき役割

多彩な専門性に裏づけられた外部の視点から
経営判断の合法性・公正さ・合理性を検証する

――皆さまのキャリアと、社外役員の職務において重視していることをお聞かせください。

鈴木私は、1980年にジャスコに入社して3年ほど売場を経験した後、エリアで予算管理や本社で人事を担当、そして店長を務めた後、海外勤務となり、約15年間、タイ、北京、香港と海外現地法人で主に経営管理を担当してきました。タイではアジア経済危機後の事業再構築を担当。香港では、上場企業として株主を意識した経営にも携わりました。そして2015年に帰国してイオンモールの監査役を拝命しました。

市毛海外事業での経験は、現在の職務においてどのように役立っていますか?

鈴木順一氏の写真

鈴木香港で副社長を務めていた時には、現在とは逆に現地の独立社外取締役の方々からの質問に答える立場でした。論理的に説明しないと物事が運ばないという点では日本以上に厳しい世界でしたので、“Logical & Reasonable”、すなわち事実を正確につかんで論理的・合理的に判断することの大切さを実感しました。監査役としてもこの“Logical & Reasonable”を基本にしながら、ピーター・ドラッカーが主張するように“誰が正しいか”“何が受け入れられやすいか”でなく“何が正しいか”を考えて決定が行なわれるように、自分の主張を伝えていきたいと考えています。

私は、公認会計士・税理士として監査法人や税理士事務所に勤務した後、現在は税理士法人のパートナーを務めています。2011年にイオンモールの社外監査役となり、2014年からは社外取締役として取締役会にも出席させていただいています。財務会計以外の経営は詳しくなかったので、最初は“自分に何ができるのだろうか”と戸惑いましたが、今では財務会計面や社会常識に基づく判断など、自分が担える役割をきちんと果たしていこうと考えています。

河端私は、2015年5月から社外取締役を務めています。以前は電機メーカーに40年余り勤務していました。鈴木監査役と同様に海外が多く、合計22年間、オーストラリア、イタリア、イギリス、ベルギー、アメリカと5カ国で勤務しました。イギリスでは現地法人の経営を担い、北米統括会社の責任者も経験しました。本社に戻ってからは、広報やIR、さらにはリスク管理やブランド戦略などの仕事にも携わってきました。

海外を中心にさまざまな仕事を経験されていますが、社外取締役としてはどのような考え方を重視していらっしゃいますか?

河端鈴木監査役の“Logical & Reasonable”とも重複しますが、私のモットーは“Fair & Reasonable”です。国内外を問わず企業経営には、公正であること合理性・納得性があることが不可欠であるからです。

市毛私は、2014年に社外監査役に就任し、今年が3年目になります。1989年に弁護士登録をした後、日本IBMに入社して企業内弁護士になりました。入社後は、各種契約関係や取締役会、株主総会などの法的なフォローやコンプライアンスプログラムの策定などに携わってきました。

鈴木企業内弁護士の場合、独立した法律家であると同時に企業の従業員でもあるわけですが、それぞれの立場が両立しない場合も起こり得るのではないですか。

市毛はい。基本的には両方の立場を兼ね備えながら仕事をしていくのですが、“どうしても両立し得ない場合には、法律家としての良心に従って仕事をするように”と、当時の上司から指導されてきました。この企業から報酬を得ていたとしても、職務上は法律家として独立性ある意見を述べるべきという企業内弁護士の立ち位置は社外役員の立場とも共通点があります。

鈴木企業の顧問弁護士と監査役としての弁護士の役割の違いは何ですか?

市毛個々の審議案件についての法的検討やアドバイスなどは、基本的には顧問弁護士の仕事です。監査役を務める弁護士の主な役割としては、ボードメンバーの法的責任、つまり会社法で定められている忠実義務や善管注意義務などをきちんと果たしているかをチェックすることです。意思決定プロセスのモニタリングには2つの観点があります。1つは、判断の前提となった事実認識に不注意な誤りがなかったということであり、2つめは、判断の過程や内容が著しく不合理でなかったか、というものです。いわば“Logical & Reasonable”や“Fair & Reasonable”の基本が守られているか否かを法的に分析することでもあります。

村松高男氏の写真

村松私は、国税庁に入庁後、東京国税局および査察部での税務調査を経験した後、東京地検特捜部に出向し、捜査官として企業の贈収賄事案などに携わりました。国税庁に戻り全国の国税局の税務調査の管理・指導を行なった後、国税庁や国税局の職員の職務に不正などがないか捜査する監査官を務めました。その後、名古屋国税局の総務部長、高松国税局長を務めて退官し、都内で税理士事務所を開業しました。そして本年5月から社外監査役を務めています。

鈴木税務調査や組織の内部監査などで長年活躍されてきた経験を活かし、今後、どのような視点からイオンモールの経営をチェックしていこうとお考えでしょうか?

村松税務調査というのは、決算書や会計帳簿などの数字を検証するだけでなく、その背後に問題のある資金の動きなどがなかったかなど、会計処理を裏面から調べていく仕事でもあります。このように物事を別の角度から検証してみるといったスタンスは、企業の社外監査役としても役立つのではないかと考えています。もちろん、基本的には企業の経営判断や意思決定の座標軸といったものが、社会一般の常識からずれていないかを冷静にチェックしていくことが重要だと思います。